憎悪の言語:アレックス・ジョーンズが笑えないワケ

 昨日の映画『Assassination Nation』紹介記事に関連して、映画に劣らず怖い現実世界のサンプルを少々。

 現代アメリカの右翼的なパラノイアといえばこの人、ネット陰謀論番組「InfoWars」のホスト、アレックス・ジョーンズ(Alex Jones)。以下は、トランプ大統領就任一周年目の1月20日に抗議の意思表明として全米各地で再び行われた「女性たちの行進」(Women's March)をめぐって、「デモ参加者を逮捕しろ!」と彼が絶叫しているくだりを実際のデモの光景とミックスした風刺動画だが、「もはや笑えない」とのコメントが寄せられている。

 あからさまなでっち上げや自己矛盾にもかかわらず、そこで展開されている「奴らは我々を殺しに来る」「奴らは地上のクズだ」「軍を出動させろ」という憎悪のロジック(?)は「笑えない」のである。

【映画予告】『Assassination Nation』:少女たちの復讐

Assassination Nation - Sundance Teaser

誰が書いたのか忘れたけれど、こんな感じの引用を読んだことがある。「人口の10%は冷酷である、10%は慈悲深い、残りの80%はどちらの方向にでも傾き得る」と。それを書いた人は、WorldStar のケンカ動画も 4chan もツイッターも見たことがなかったのだろう、っていう確信が私にはある。

 2018年1月21日にサンダンス映画祭にて初上映され、話題を呼んだアメリカ映画『Assassination Nation』(アサシネーション・ネーション)の予告。

【ゲームの英語】『We Know the Devil』:"Promise me"

(※)以下では、『We Know the Devil』のエンディングの一つに登場するセリフを複数取り上げています。ネタバレ注意。

「約束して」

 本日のフレーズ:

Promise me hell is right there, right behind that door. All of it. Promise, really promise, there's no going back.

We Know the Devil, Date Nighto, 2015)

【海外記事紹介】「トランプの精神状態について憶測するのはやめろ」(Pacific Standard)

 紹介するのは、Pacific Standard の記事「トランプの精神状態について憶測するのはやめろ」(David M. Perry, "Stop Speculating About Trump's Mental Health", Pacific Standard, 2018/01/04)

 1月5日刊行のマイケル・ウルフ(Michael Wolff)による暴露本『炎と怒り:トランプ・ホワイトハウスの内幕』(Fire and Fury: Inside the Trump White House)をめぐって、トランプ氏の精神状態をめぐる関心が再燃したことが念頭に置かれている。記者は、そういった憶測が多くの場合、有害・無益であることを指摘し、過去のレーガン元大統領の事例を踏まえて、無責任な憶測(speculation)と信頼の置ける報道との違いを提起している。憶測は慎み、報道は自粛するな、という。

レーガンのアルツハイマーと「スタール基準」

 以下、記事より抜粋。

【海外記事紹介】「陰謀論を研究するリベラルの学者が、いかにして右翼の陰謀論の標的となったか」(The New Yorker)

 紹介するのは、The New Yorker の記事「陰謀論を研究するリベラルの学者が、いかにして右翼の陰謀論の標的となったか」 (Andrew Marantz, "How a Liberal Scholar of Conspiracy Theories Became the Subject of a Right-Wing Conspiracy Theory", The New Yorker, 2017/12/27)

 日本でも訳書の多い著名な法学者キャス・サンスティーン(Cass Sunstein)が Fox News や InfoWars といった右派メディアの繰り広げる陰謀論の標的となった経緯が語られている。

「アメリカで最も危険な男」になるまで

 以下、長いが、記事より抜粋:

【海外記事紹介】「男らしくない:環境への配慮に対する抵抗の驚くべき理由」(Scientific American)

「驚くべき」かは分からないが、興味深い報告。紹介するのは、アメリカの科学雑誌 Scientific American の研究紹介記事「男らしくない:環境への配慮に対する抵抗の驚くべき理由」(Aaron R. Brough and James E.B. Wilkie, "Unmanly: A surprising reason for resistance to environmental goods and habits", Scientific American, 2017/12/26)

 2人の著者は、それぞれユタ州立大学とノートルダム大学の、経営学部マーケティング専攻の准教授で、環境にやさしい行動についての彼らの心理学実験の結果について報告している。

 それによると、女性に比べて男性が環境にやさしい行動をとらない傾向にある理由は、男性たちが「男らしくない」と思われるのを不安に感じているからなのだという。

傷つきやすい「男らしさ」

 以下、記事より抜粋: