PS4向けMod 、ベセスダが全面妥協?

 ベセスダ(Bethesda Game Studios)が、取り止めを一時発表していたPS4版『Fallout 4』及び『Skyrim Special Edition』向けのModサポートを行うことを改めて発表した。現時点で公式の日本語訳は出ていないが、こちらで英語の発表が読める。(【2016/10/07更新】日本語でも読めるようになった。)

 ただし、Kotaku の記事が指摘するように、この発表の肝心の部分は、"You will not be able to upload external assets with your PlayStation 4 mods"という箇所で、ゲームに予め含まれているアセットは使用できるが、外部アセット(external assets)をアップロードすることはできない、というもの。要するに、オリジナルのテクスチャーやオーディオを含むModは一切サポートされない、というのである。

 「ユーザーが自由に使えるというMOD本来の形での提供を認めないとSonyより通知を受けました。」「Sonyが正しいMODの形での提供を認めるまで、PlayStation 4版Fallout 4とSkyrim Special Edition向けの提供はできません。」というのが前回のベセスダの発表だったので、ソニー側の対応の変化というより、ベセスダ側が全面的に妥協した格好と言って間違いなさそうだ。

 なお、先月の上旬にPS4向けModサポートの取り止めがベセスダから発表された際、Mod作成ツール“Creation Kit”の先行プログラムに招かれていたMod作者だという人物が「問題は、100%ソニー側にある」との指摘をRedditに書き込んでいた。曰く、PS4向けModの問題は、Xboxの半分以下というファイル容量の制限と、PS4用のオーディオ・フォーマット、テクスチャー・フォーマットを Creation Kit で取り扱い可能にするための技術的協力ないし許可の必要、だったのだが、ソニーは問題の解消を確約しておきながら、結局、何もしてくれず、Mod作者コミュニティのあいだでは、ソニーに振り回されている、というのは周知のことだったのだという。

 むろん匿名の投稿に過ぎないが、上の状況説明を踏まえて、外部アセット抜きの制限付き提供、という今回の発表を見ると、ベセスダは、結局、ソニー側からは協力を得られないまま、「ないよりマシ」との判断に至ったようだ。


【追記】(2016/10/24更新)

 昨日、“Immersive HUD”“Predator Vision”などのMod作者でYouTuberのGopher氏が、「もっと早くに告知すべきだったのだけど」と断って、自身の『Skyrim』『Fallout 4』用ModをPS4向けにリリースする予定はない、との悪いお知らせ動画(英語)を発表した。制約からして不可能だし、何か別の方法で同じ機能を再現するアイディアが浮かんだところで、たいして盛り上がるとも思えないPS4向けModシーンのために、Modを一から書き直す時間と労力を割く気は正直しないので約束できない、とのこと。
 「外部アセット」というくだりを最初に読んだとき、私もそこまで頭のなかでつながらなかったが、要するに、「.esp」拡張子以外のファイルを含むものはダメ、当然スクリプトもアウト、ということで、彼のModの移植もほぼ不可能のようだ。


【訂正】(2016/10/06更新)

 「ベセスダ(Bethesda Softworks)」の発表と記載しておりましたが、発表の署名は、販売元の親会社ではなく開発スタジオのほうの"Bethesda Game Studios"となっていたので、訂正いたします。