【海外記事紹介】「相模原の19人を記憶する」(Pacific Standard)

David Perry, "Remembering the Sagamihara 19" (Pacific Standard, 2016/08/09)

 19人が殺害された7月の相模原市の障害者施設での殺傷事件。記事は、英語メディアでの報道が限られたものであったことを指摘したうえで、遺族の意向を受けたものとはいえ、〈被害者の氏名を公表しない〉という警察の決定が、事件と被害者の忘却に手を貸してしまっているのではないか、との危惧を、日本の障害者の権利運動に携わる人々の声を交えて論じている。
 なお記事では言及されていないが、著者ペリー氏は自身、ダウン症の子を持つ。

殺害は、明確に障害者の地表からの抹消を開始する企てとしてなされた。被害者たちのストーリーについての今なお継続中の沈黙は、この抹消に貢献しているのではないか?〔・・・〕犯人は、彼が「世に何ら貢献するところがない」「いなくなっても惜しまれない」と考えた人々を被害者に選んだ。相模原の19人の死に対する我々の沈黙によって、彼が正しかったと証明されることがあってはならない。